このレビューはネタバレを含みます
東京オリンピック開幕前の桜木町周辺での恋の話。
海(メルはフランス語のラメールからか)の掲げる国際信号旗とそれに返事をする俊。
2人は出会う前からやり取りをしていたが、返事があった事や相手に気が付くのは少し先になる。
物で溢れたカルチェラタンも味があるが、取り壊されない為に掃除をし綺麗になっていくのも見応えがある。
海が家にいる時はほぼ1人で皆の家事をこなしているので家族や下宿の人達も協力したら良いのにと見てしまうが、父親はすでに亡くなっており母親はアメリカと長女として当時は当たり前だったのだろうか。
海と俊が少しずつ惹かれあっていく中で、実は兄妹なのかもしれないから今まで通りだと言われ切ない。
しかし例えそうであったとしてもお互い好きな気持ちを伝えるのは胸にくるものがある。
詳しく知っている仲間の1人と話す機会ができ、俊は仲間の子だが両親共に亡くなり、このままでは孤児院行きになるのを海の父親が戸籍を変え子供を亡くしたばかりの親の元へ引き渡したので、兄妹ではないという事が分かった後の2人の笑顔が良い。
俊の父親のウインクも可愛らしい。
安っぽいメロドラマと言ってしまえばそれまでだが、東京オリンピック前の活気ある街並みや学生運動、街並みに音楽が良い。
宮崎吾朗監督作品の中では1番好き。
ゲド戦記に続き岡田准一さんが起用されているが監督のお気に入りなのだろうか。