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過去を逃れてのRのレビュー・感想・評価

過去を逃れて(1947年製作の映画)
3.3
眠気のやってこない夜は、やはりオールディーズの映画で愉しむのが1番だと思い、ブロードウェイ•メロディーと迷った末に鑑賞。

■美しい形容詞たち
この映画の最も気に入った点は、彼らと翻訳者の方の言葉選びにある。

“輝くような美女”
“月の光のような彼女”
“昼の名残は煙草の煙のように消して”

本編を鑑賞せずとも、「彼女」がいかにミステリアスで、何者にも変えられない美貌を持ち、どこか掴みどころのない人物だと容易に想像がつくだろう。
彼女と出会ったばかりのジェフには、ピンスポが当たっているように見えたに違いない。

■キャシーの二面性が垣間見えたセリフ
Singing in the rain のように、バックの音楽に包まれてジェフと豪雨の中をはしゃぐ、それまでと違って可愛らしさを見せてくれたキャシー。
そんな彼女のもうひとつの一面(ネタバレになるのであえて曖昧な言葉で濁して。)がちらりと見えたセリフが、“もう過ぎたことだ”。
ネタバレ防止のため詳しくは述べられないが、冷徹な部分が見え隠れするシーンだったと感じる。
なんというか、この作品は言葉選びが巧み。

■ビッグバンド・ミュージック
やはりこの時代の映画には、生演奏のジャズが付き物だ。本作品も例外ではない。
ダンスシーンやエンターテイメント施設に入った瞬間に、カップミュートのトランペットの音が鳴り響くのがたまらなく好き。残念ながら、演奏者が映るカットはないのだが、音楽だけでも十分堪能できる。

キャシー≒峰不二子。(締めの文絶対これじゃない)
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