爆裂BOX

スナッフ動画サイトの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

スナッフ動画サイト(2005年製作の映画)
3.3
女優を目指すウェンディはオーディションを受ける。監督はホラー映画の巨匠ボリス。彼は自分の撮った作品の影響受けたファンに妊娠中の妻を殺され、その殺害状況と同じ設定で新作を撮ろうとしていた…というストーリー。
「キャンディマン」のバーナード・ローズ監督によるスナッフ動画を題材にしたスリラーです。
事件の現場でもある監督の屋敷に呼ばれ、他の候補者と共に最終オーディションに臨むウェンディ。だが監督の真意は、事件を再現しながら本物の殺人を撮影し、それをインターネットでライブ中継する事だったという内容です。
冒頭からゴシックホラー調の展開ではじまり、すぐに映画内映画だとわかりますが、そこから「シャロン・テート事件」をモデルにした監督の妊娠中の妻や友人殺害シーンをB級ホラーテイストで見せるシーンなど中々引き込んでくれます。特に監督の妻の事件のシーンは粗いフィルム画質が当時の雰囲気再現してたんじゃないでしょうか。こちらでは実行犯は監督のホラー映画の影響受けた少女三人になっていますが。
監督の屋敷で撮影が始まると安っぽいビデオ画質になって一気に低予算感漂います。そこからはカップルで参加している女優が恋人役と浮気したり、それを屋敷中に仕掛けられてるカメラで監督と妻役に抜擢されたウェンディが眺めたりといった展開が続いて中々惨劇が始まりません。間を持たすようにエロ描写が多めになっています。主人公ウェンディも冒頭からヌード曝してシャワーシーンや後半でもフルヌードだしてます。
殺人者三人が現れて俳優が殺され、それがネット中継されてウェンディの彼氏が見る所は、「無修正版を見ますか?」や「有料コンテンツを見ますか?」という表示出る所リアルな感じで面白いですね。彼氏の通報で様子を見に行った警官が、ウェンディが襲われている所を見て応援を呼んで屋敷に突入する所が一番盛り上がったかも。ここで殺されたはずの俳優が登場して「エイプリルフール」の様に全部ドッキリというか映画だったのかと思わせる展開になりますが、でもやっぱり実際に殺人が行われたりしてどれが虚構で現実か分からない展開になっていきます。
ゴア描写は冒頭の妊婦メッタ刺しして赤ちゃん取り出す所や生首放り投げてて落下した生首から脳味噌出る所くらいでこの題材にしてグロ描写少なかったですね。
終盤ではカルトっぽくなって悪魔出て来たりとオカルト要素入って来てわけわからなくなりますが、そこからのどんでん返し落ちは中々ブラックなユーモアあって良かったですね。ちょっとだけ最初から見直してみたくもなりました。何処からそうだったのか。あの殺害フィルムの所からだろうけど。
お話自体新鮮味ある物でもなくオススメするほど面白いわけではないですが、ベテラン監督だからかそれなりに見れる物にはなっているんじゃないでしょうか。過激さを求めると外すと思います。