タイのホラー映画。このトンデモないタイトルから超絶スプラッターを連想しますが意外や社会派(?)な実録犯罪もんです。
調べるとこの連続殺人鬼はタイの博物館でミイラとして晒し物にされているらしい。調べると映像も出てくるのでそっちの方が映画よりホラーです。
第二次大戦後のタイで実際にあった連続児童殺人事件を基にしている。中国からタイに渡ってきた青年シーウイ。喘息もちの彼はこの国で過酷な労働や差別からどんどん追いつめられ、やがて慕ってくれた少女に手をかけてしまう。そっからぶっ壊れた彼は子供を殺しては臓器を喰らう。
この映画、グロ表現はあるもののそこは控えめ。R15にはなってるけど他のグログロ映画に比べたらめっちゃ大人しいので、そういうのが目当てなら物足りないってもんじゃないと思う。
話の作りとしてこのシーウイって善良そうな男がなぜ猟奇的連続殺人鬼になったのか?という硬派な作り。でも俺はこんな奴に全く同情なんかしてやらない。酷い境遇なのは分かるが、それで人を殺していいって事にはならんだろう。それが許されるなら世界にはシリアルキラーで溢れるステキな世界になってるはずでしょう。
この手のアジア映画にようある日本軍人の描き方もアレだったが、それよかシーウイの故郷である中国の田舎の描写も相当なモノ。罪人を死刑にした後、臓器を求めて死肉に群がる村人!こんなトコがホンマにあるんか知らんが、この男が迷信を信じて心臓を食ってたって納得させるにはよう出来たエピソードです。
陰惨な事件なので一服の清涼剤っぽい役柄で美人記者も登場。彼女が事件を追っていくのがメインの流れになってるんかな?エキゾチックなべっぴんさんで目の保養にはなるが上手く機能してるとは思えんかったが。
事件の内容や殺戮シーンよりヘンに美しい映像と大げさな音楽の方が印象に残ってしまった作品でした。