1972年に起きた差別撤廃のためのデモ行進。
下院議員アイヴァン・クーパーの呼びかけによって実現するが、政府は軍隊を差し向ける。
基本ドキュメンタリーのように経緯を見せていくのだが、終盤遂に暴徒と化した市民を制御するため軍隊はゴム弾の代わりに実弾を使う。
軍隊が自国の市民を銃で迎え撃つというおかしな状況が成立してしまう。
この矛盾を監督のポール・グリーングラスが生々しく描く。
室内では俯瞰で映し、一旦外に出ると被写体に寄り、まるでデモに参加しているような臨場感が迫ってくる。
そして結末は苦々しいものとなる。
後日談も含め、このデモ自体が意味のあったことなのか。
当事者たちの苦悩がまざまざと伝わってくる。