キャストは豪華なんだけど、中身はかなり酷い。
まず、記者のスクープ物語を主軸とするならば、記者自らが取材して危険を犯して、真実を掴み取らなければ意味がない。
この映画では、内部告発で全てが済まさせれているし、真実もほとんど観客には冒頭から見えてしまっていて、驚きがない。
組織を裏切る男の話に主軸を置くならば、そこの葛藤をもっと描かなければならないし。
組織を裏切らない理由がもっと必要。
描きたかった話は分かるけど、それを描くだけの能力が明らかに欠如している。
それが露骨に現れるのがラスト。
全員めった殺しという、ジャーナリズムとかけ離れた。まるでシュワちゃんやセガール、ステイサム映画のような展開に唖然。
これをやるなら、今までの取材の意味がない。
例えば、秘密が入ってるディスクを検察局に運ばれたら手が出せなくなるから、それまでに殺さなければとかで、カーチェイスアクションにするとか。
誰か人質をとって、緊迫なシーンを作るとか。
何か見せ場を作るにしてもやり方があったはず。
記者のエピソードを程々にして、組織を裏切って結婚に走る男の話にすれば良かったのに。
どっちがメインに描きたいところか、作ってる側が迷走して、ハチャメチャな作品になってしまったかと。
スペイシーのファンとしても、この映画のスペイシーはカッコ良くないのでイマイチ。