マルメラ

マスカレード・ホテルのマルメラのレビュー・感想・評価

マスカレード・ホテル(2019年製作の映画)
2.7

グランドホテル形式の脚本。まさにホテルを舞台に潜入操作を行い、色んなお客様と接しながら事件解決を目指すというのがストーリーの軸なんですが…。

まず、脚本がお粗末すぎる。
怪しい人が来た。でも実は〇〇な人でした。
これの繰り返し。
たしかに、事件解決に繋がるようなエピソードも交えてはいるのですが、これも結局同じことの繰り返しで。
怪しい人が来た。でも実は〇〇な人でした。もしかして、この事件も…。
という繰り返しになり、いかんせん謎解き感がないというのが残念なところ。
※原作が東野圭吾なので、大胆な改変ができなかったのかもしれませんが。

これに付随するのですが、ミステリー系の醍醐味って、「犯人は誰なんだろう?」という強力な興味で話を推進できるジャンルではないでしょうか。

ただし、この作品は「犯人は誰なんだろう?」という気に全くならない。それは犯人の候補が出てこないから。1人出てきてはすぐに解決され、また出てきては解決され。を繰り返すので、何か怪しい感じの人が出てきても、こいつじゃないなって思ってしまうという…。

そのため、ある程度怪しそうな人を一気に登場させて、この中の誰かが犯人という流れにした方がフックとしてよかったのでは?例えば何日以降に予約をした人が容疑者としての候補で絞り込むとか、ある程度やりようがあった気がします。

もう一点。配役について。
「犯人は誰なんだろう?」という興味で成り立つジャンルにおいて、視聴者側が犯人にすぐ気付いてしまうのはご法度。
しかし、この作品に限らずドラマや海外の映画でも、犯人役はそれなりに美味しいので有名な俳優にやらせることが多く。この人、こんなちょい役で出ないよな。ってことは…と考えてしまい、だいたいそれが当たるという…。
今作も、似たような意味で1人だけ違和感のあるキャスティングがあり、なんとなく犯人がわかってしまうという残念な結果に。これを私はユージュアルサスペクツ現象と勝手に名付けてます。

また、犯人がいる部屋を特定するための鍵になる紙を止める重いやつ→文鎮?的なものを、長澤まさみが幾度となく直すシーンがあるのですが、やりすぎ。カメラ寄りすぎ。「みなさーん、注目!この文鎮の向きが後で大事になってきますからね〜!」と言わんばかりのアップショットの連続で。
萎えました。
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