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続・復讐のガンマン〜走れ、男、走れ〜のrollinのレビュー・感想・評価

4.0
セルジオ三栄神の一角、セルジオ・ソリーマ監督作品。前作「復讐のガンマン」で、あのリー・ヴァン・クリーフを翻弄しまくったナイフの使い手クチーヨ(短刀)a.k.a.トーマス・ミリアンを主役に据えた大活劇。トーマス・ミリアン自ら唄うテーマとおしゃれなオープニングも熱い。

ひょんなことからメキシコ革命軍の軍資金の在処を知った流れ者クチーヨが、賞金稼ぎ、山賊、フランス人、恋人に追いかけられるというお話です。

トーマス・ミリアンは銃の扱いが苦手でナイフを選んだらしいけど、無慈悲なガンマンたちを尻目に飄々とナイフを捌くクチーヨの姿は、持たざる者、反骨精神の象徴としてとても的確でクール。

前半はほとんど盗み食いか、捕まって吊るされてる(風車に吊るされるシーンは撮り方も斬新)クチーヨやけど、国境を越え、テキサスの雪山を越えてバートン・シティーに辿り着く頃には、映画は正統派西部劇へと回帰していき、このタッチの変化にはとてもシビれます。そしてドナルド・オブライエン演じるキャシディ保安官とのコンビも最高の相性。
ラストの二人のフランス人との決斗では、逆手抜き二丁拳銃の使い手ジャン・ポールVSナイフ使いのクチーヨ、さらにクロスドロウのキャシディ保安官VS残りのおっさんという大ボリューム!!

マカロニウエスタンおなじみの異常な音量のビンタや、跳び箱を跳ぶみたいに馬に跨るクチーヨ、さらには救世軍のペニーとクチーヨの恋人ドロレスの文字通りの泥レスなど、魅力はまだまだ語り尽くせませんが長くなりすぎました。

普段はひょうきんでだらしないけど、純粋で実に義理堅いクチーヨ。吊るされ、殴られ、泥まみれになっても決して曇らないその瞳。トーマス・ミリアンの魅力全開な名作です。
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