ルッキオ

アリス・スウィート・アリスのルッキオのレビュー・感想・評価

4.0
自主制作にしてはよく出来たスラッシャー。(あくまで70年代という枠ですが・・・)
低予算だけど画面構成とスリラー音楽へのこだわりがあって、イタリアンサスペンス(ジャーロ)を強く意識してるのが伝わるんだけど、モノラル音声とVHS画質なのがつくづく残念。
VHSをそのままダビングしたかのようながっかり画質なので、HD大画面で観るとかなり辛いものがある。画質のがっかりさと、人物がしゃべってる口の上に字幕が乗っかるのが気になって話が入ってこない。(クローズアップが多いから余計気になるんです)
加えて人物名と人間関係の説明不足が過ぎるので、一回観ただけじゃ把握できません。いきなりダニーだのアンジェラだの言われても誰のことやら!
二回目に小さい画面で観直してやっと飲み込みやすくなりました。

この映画の肝は犯人がマスクを取って顔を見せるその瞬間にあって(ここを予感してると面白さ半減)、動機の部分は若干弱いかなあという印象。というかやっぱり説明が足りてないだけかも。
少女の嫉妬や父親の不在というキーワードが一応はあるけど、巧く効果を発揮してるとは言いがたい。
ラストカットはこの映画を記憶させるに足るものがあるでしょうけど。

アメリカで撮られたジャーロという異質さと、少女を演じるのが19歳の女優という異質さ。長いことカルト化された神秘性も加わって、映画本来の持ち味に別の何かが付加されてるような気がしなくもない。
ルッキオ

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