ジョナサン・デミ名声飛躍の二作『羊たちの沈黙』『フィラデルフィア』の後、満を辞して…感のあるトニ・モリスン『ビラヴド』映画化で、約三時間の野心的大作ながら、鈍重さ否めず。"語ること"についての物語でもあるとはいえ、本作は名高い原作の"ストーリー"を物語ることで手一杯な印象。
なぜ見たかといえば、またもやロウリー経由。「原作小説はもちろん驚異的ですが、私は映画版も本当に良い出来で、不当に忘れられていると思います」「悲劇的な、あまりに悲劇的な物語だが…しかし本当に美しいものだ」などと、随所で称賛しており…。なにやら、"フィジカルな幽霊"であることを評価しているらしい。
2020/10/25