このレビューはネタバレを含みます
余韻のある作品。自分はナチスの残虐さを知っているから、無知なブルーノの行動をみて「シュムールの状況も考えてやってくれ」「中に入るんじゃなくて二人で逃げてくれ」と思ってしまうけど、彼の純粋さゆえに物語は悪い方へ転がっていき、そのまま転落して終わる。
作品冒頭の言葉「こども時代とは、分別という暗い世界を知る前に、音と匂いと自分の目で事物を確かめる時代である。」子ども時代などとうに終えてしまったけど、わかったフリをせず、目の前の事物に真摯に向き合うことを忘れないようにしたい。