きんゐかうし卿

キラー・モスキート 吸血蚊人間のきんゐかうし卿のネタバレレビュー・内容・結末

2.5

このレビューはネタバレを含みます

 



『有り勝ちな為、つい粗捜し』

自宅にて鑑賞。日本劇場未公開作で、原題"Mansquito"。鑑賞前の勝手な先入観とは裏腹にキッチリ作られていたが、在り来たりなストーリー故、どうしても設定や細部、その周辺や背景に眼が行き、ついつい粗を探してしまった。クリーチャーの外観を含め『ザ・フライ('86)』の影響が濃く伺え、食欲・性欲が旺盛になり、甘い物を大量に摂る初期の変化や女性を奪い合う三角関係と云う構成も同作をなぞっている。悲劇の科学者から凶悪犯へ怪物を変更し、判り易く纏めた印象。画的に弱いクライマックスから続く無理矢理感溢れるラストも歯切れが悪い。50/100点。

・変態の過程が二回のみなのは予算の関係か、身体能力が高まる描写が無く、(テーマがそこに無いとは云え)唐突に変身を遂げる。成体となったクリーチャーはショッカーの怪人か××ゲルゲの様な外観で、とても飛び回れるとは思えない貧弱な翅が背中から生え、弱点は電流とユニークではあるが地味目であり、総じて魅力に欠ける存在であった。

・西ナイルウイルスに次ぐ新型ウイルス“ギリン”と云う前提に対し、解決策になるのかと思われる研究に違和感を憶えた。更に片手だけ爆風を受ける(被爆する)状況が判らないし、仮に防御服か何か放射線を遮断する状態から片手だけ守られておらず、集中的に浴びたとしてもそこだけと云うのは都合が良過ぎる気がする。そもそも蚊は雌しか血を吸わないので、設定自体に無理があると云え、他にもケチを附けだすとキリが無い。

・殺人課“チャーリー・モリソン”刑事のP.ドレイカス、容姿の雰囲気や物腰がK.リーヴスを髣髴させ、如何にも新米情熱刑事と云う役柄が板に附いていた。

・“レイ・エリクソン”を演じたM.ジョーダンがオープニングクレジットでは"Matthew Jordon"と表記されており、クロージングロールでは"Matthew Austin Jordan"とクレジットされていた。

・鑑賞日:2019年2月18日(月)