Netflixで見つけたので早速鑑賞。
駄作と傑作を往き来する作品というのはどうしても熱狂的に好きになってしまう。
本作はもうそんな愛でるような作品。
欠点は愛おしく、良いところはとてつもなくカッコイイ。
まず出演者が異常。
嶋田久作が主演。加藤保憲を演じるために生まれてきた男。もはや言わずもがな。
そして、勝新太郎、大滝秀治、平幹二朗、高橋幸治に寺田農、峰岸徹、西村晃、若きイケイケの石田純一、佐野史郎、他にももう錚々たるメンツ。
映像もSFXを駆使した(古い)ものは苦笑気味ではあるが、基本的にワンカットワンカット見応えがある。
明治、大正、昭和に渡る都市の造形、関東大震災のシーン。ギーガーによるクリーチャーデザインは楽しいし。
一方でストーリーについてはツッコミどころと言うべきか…ほぼほぼ会話が成り立ってないし、ほぼすべての人物が具体的に何かをやり遂げたり成り立たせたりしない。驚異的なほど、出来事に対してこの人たちは何もできないまま事態が解決したりする。
全体的に何が起こっているのか本当にわからない。ストーリーだけを追えば全く理解不能。
何より突出しているのが切迫感に満ちた俳優の演技と裏腹にアクションのショボさ。
加藤保憲も含む、登場人物の大半がカッコつけまくるが大抵すぐ、やられる。
次のシーンではその言及もなく復活してたりとやりたい放題。
それでもなんだか。
見惚れてしまう怪作。