TAK44マグナム

ゾンビパークのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ゾンビパーク(2008年製作の映画)
3.0
美脚ゾンビにご用心!


地獄のトレーラーハウスパークとは知らずに助けを求めた問題児たちが、いつものように血祭りにあげられる田舎ホラー。

冒頭、ハーシェル・ゴードン・ルイスの「2000人の狂人」は最高だぜ!みたいな事を言ってるテレビ番組が映るんですけれど、察しがよければ、本作がどういうスタイルのホラー映画なのかがそれだけで分かろうというもの。
そう、つまりは「田舎に行ってトラブったら、そこには殺人鬼かUMAか宇宙人か、もしくはゾンビがいて襲われてタイヘーン!」って映画です。

これね、「インブレッド」と非常に設定が似通っているんですよね。
メンバーにゴスロリ女子がいたり、問題児を引率する団体だったり、地雷やその他ブービートラップが仕掛けてあったり。
本作が2008年、「インブレッド 」が2011年公開ですから、もしかしたら「インブレッド」の方が多少、参考にしたんではないかと勝手に勘ぐってみたりして・・・(汗)


作りは丁寧なんですよね。
序盤に、かなりの尺を使って「どうしてトレーラーハウスパークが廃墟になり、そして真夜中に復活するようになったのか?」の顛末を語ってくれますし、中盤以降の殺戮もマジメに撮っていますし。
だけども、いかんせんマジメ過ぎて遊びが足りない印象。
主人公であるノーマの可哀想ぶりが切ない導入部は惹きこまれましたが、メインとなる問題児たちが首を引っこ抜かれたり、内臓を踊り食いされたり、人間フライに調理されたりする折角のゴアゴア大会の魅せ方がド下手なのが大問題。
ゾンビ達(と言うよりも良く喋る死霊みたい)のノリが軽いわりに、ゴア描写では笑えないんですよね。
ここは笑えるぐらい突き抜けてないと、こういうタイプの「ただ殺られるだけ映画」ではツライのです。
その点、汚物で身体がパンパンにされて破裂する「インブレッド」や、やたらと人体がバラバラにされる「2001人の狂宴」の方が断然オススメできます。
人間フライなんて本当に勿体無いんだよなぁ。
なんで「片腕マシンガール」みたいにテンプラになっちゃったりしないのかね?
衣をつけなきゃ!
そのぐらいバカやらないと印象に残らないのに。
ただ真っ黒焦げになるだけじゃ地味だし、それも一瞬しか見せてくれない。
あと、もっと泣き叫ばないとヤバさが伝わりづらいから、役者さんは声を張り上げて命乞いしないとダメ!
最初の首ぶっこ抜きぐらいかな?
それなりにインパクトがあったのは・・・。

問題児側の主役とも言えるゴスロリ女子も、もっと反撃したりするのかと思っていたら全然でして、キャーキャー騒いでいるだけでした。
まあ、それは「インブレッド」もそんな感じでしたが、ファイナルガールが奮起しないと、やはり最後が盛り上がりませんな。
なんだか妙にしんみりと終わってしまうので、「ああ、そういう方向にもっていきたかった映画なのか」と納得はできたものの、思っていたのとズレがある内容だったのもあって、物足りないまま終わってしまいました。


実質的な主人公は、ゾンビ化しながらも化粧?でそれを隠して地獄への案内人となっているノーマ。
人生に悲観して大量虐殺にはしる彼女は、社会の最底辺ともいうべきトレーラーハウスパークに咲いた一輪の花だったのですが、クソのような連中に囲まれて、クソ以 下の生活に明け暮れているんですね。
底なし沼のようなトレーラーハウスから抜け出したい。けれど抜け出せない。
そんなノーマの葛藤が全ての悲劇のはじまりであり、それを利用しているのがウエスタンな格好をした謎の男・・・多分、悪魔なのでしょう。
死霊が支配するようになったトレーラーハウスパークに犠牲者を引き込んでは地獄へ送っているのかもしれません。
嫌なシステムですな(汗)


ノーマ役を演じたニコール・ヒルズがなかなか魅力のある女優さんで、後半は髪形が合っていない感がアレでしたが、過去パートに出てくる彼女は大半好みでありました。特に、ラフなへそ出しルックが良かった!
ちゃんと血まみれにもなるしね。
そして、とにかく美脚だな、と。
牧師が我慢できなくなるのも仕方なかろうという説得力をもつ美脚ボディ!
これ、重要です!


ギターゾンビ、肉屋ゾンビ、マッサージゾンビなど多彩なゾンビキャラクターが出てくるのは楽しいですが、あともう少しグロリンチョを頑張ってもらえれば更に楽しめたはず。
惜しい一作でした。



・・・それにしても、ポルノ女優のお母様は尻に何を入れるのを嫌がっておられたのか・・・何を入れても嫌ではありますが(汗)
それだけが謎!


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