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もののけ姫のryoのレビュー・感想・評価

もののけ姫(1997年製作の映画)
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劇場で観て、改めて子どもの頃から観ていた1997年のこの仕事の凄まじさに打ちのめされた。本当に緻密に作られた作品だけど、子供にも根幹はわかるように作ってある、それがまたすごい。
タタラを踏んでいた時代からまた数百年、工業化した社会の行き着く果てを描いた《AKIRA》の後に《もののけ姫》を観たのはなにかの巡り合わせだろうか。帰りに、自然の人工化の極致たるスーパーマーケットで買い物して、首都高の下を歩きながら、さっきまでいた深い森への畏怖と懐かしさが抜けずにずっと残った。

アシタカは五百年前にヤマトに敗れたという、東と北の間の「エミシの村」から、シシ神の森を目指して、人間の文明の一つのメルクマールたる製鉄所、タタラ場へと辿り着く。鉄の玉で射られ祟り神となった大猪の呪いを受けたアンチヒーローとして。
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