トムヤムクン

セブンス・コンチネントのトムヤムクンのレビュー・感想・評価

セブンス・コンチネント(1989年製作の映画)
4.5
冒頭からクロースアップで捉えられたモノの断片的な映像の連なり…生活というものがこうも限りなくおぞましいものとして映し出されるとは。定点カメラの長回しを中心にした撮影が素敵。ブレッソンを思わせる連続性を断たれた空間。劇的なこともなく崩壊していく生活。ラジオ、電話、テレビなど到来してくる外部を徹底的に排していく一家。商品を豊かさと錯覚して豊かにみえるだけの仮象の生活を反復させる物質社会では、人間らしく生きること自体の不可能性にぶち当たらざるを得ない。
トムヤムクン

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