カタパルトスープレックス

イニスフリーのカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

イニスフリー(1990年製作の映画)
2.5
ホセ・ルイス・ゲリン監督を有名にしたジョン・フォードとアイルランドに関する映画風のドキュメンタリー作品(もしくはドキュメンタリー風の映画)です。

まず、大前提としてこの映画は人を選びます。ジョン・フォード監督の作家性に興味がある人、そしてアイルランドに興味がある人にはとてもいい映画です。ボクは残念ながら選ばれなかった人間です。あまりジョン・フォード監督作品に興味がないし、アイルランドの歴史もさほど詳しくない。ぶっちゃけいえば、ボクのような人間にはあまり面白い映画ではなかったです。

この作品はジョン・フォード監督の『静かなる男』(1952年)の舞台となったアイルランドのイニスフリー(コング村)を舞台としています。映画に登場した場面を絡めつつ、過去と現在を比較します。変わった部分もあれば、変わっていない部分もある。ジョン・フォード監督は一般的にはどんな映画もニーズに合わせて作ることができる「職業監督」の巨匠として知られています。そんなジョン・フォード監督はアイルランドに関してはこだわりを持った作家性を持っていたとされています。そのアイルランドに対するこだわりが表れた作品の代表が『静かなる男』だったのですね。

ボクも『静かなる男』は観ました。でも、あまり面白いとは思わなかった😅 なんか、すごく楽観的で理想主義的なんですよ。おそらく、それがジョン・フォード監督の作家性なんだとは思います。理想のアイルランド。ボクなんてセントパトリックス・デーにアイリッシュパブでビールを飲むくらいしかアイルランドについては知らない。『静かなる男』でも黒ビール(ポーター)を飲むシーンがたくさん出てきて、「いいなあ、そのポーター飲みたいなー」と思ったくらいでした。ホント、それだけの印象。

そんなボクにとって豚に真珠の作品でした。