TAK44マグナム

ハロウィン5 ブギーマン逆襲のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

3.2
短評です。


前作直後から始まるシリーズ5作目。
全身を蜂の巣にされたマイケル・マイヤーズでありましたが、当然そんなことじゃ死にません。
「ボクは死にましぇ〜ん!」と武田鉄矢精神を発揮したマイケルはどうにかこうにか川の流れのままに生き抜き、どっかの爺さんに拾われます。
そして事件から一年が過ぎて、またハロウィンの日がやってきます。
しかし、なんでまたマイケルは大人しく一年も爺さんの所にいたの?
まぁよく分からないけれど復活して、よく分からないが何故か前回狙った姪っ子じゃなくて他の若者たちをつけ回すのでした。


前作よりかはスラッシャーとしては単純に面白い。
だけども展開が錯綜しすぎて筋が通ってない印象をうけました。
何故、マイケルはジェイミーを無視して、親類でも何でもない赤の他人を狙うのか?
これではジェイソンとかと何ら変わりがない、ただの殺人鬼になってしまいます。
途中から思い出したかのようにジェイミーを襲いだしますけれど(汗)
そして、前作を観ていると一番困惑しそうなのが、あの衝撃のラストが殆ど無かったことになっているのが驚き。
いや、あのラストを踏まえているにはいるんですけれど、「あの設定はやっぱりやめとこう!」みたいな感じでうやむやにされているんです。
だから結局、マイケルが凶行にはしるスタイルに落ち着いているし、ジェイミーの義理の家族もそのまんま。
これに肩透かし食らった方も多いのではないでしょうか(汗)


前作ではたんなるお飾りであったルーミス医師が、ちゃんと活躍するのは嬉しかった。
「死ね、死ね〜!」とマイケルを打ちつけるルーミス医師。
狂気ほとばしる大暴れを見せてくれます。
もうお医者さんじゃありません!

しかし、このルーミス大暴れからの謎が謎を呼ぶラストの展開に口がポカ〜〜ン!
「ターミネーター」を彷彿させるような警察署襲撃の果てにおとずれるラストは本当に訳が分からない!
あの男は誰なのか?
この後6年も続編がないので、もし製作されなかったら意味不明のまんまだったわけですよね。
それもどうかと。
とにかく何がしたいのか明確じゃない脚本で、幸いにもそれが先を読めなくさせる効果を発揮してるのが、ある意味凄い(汗)

そんな感じで終盤は程よくカオスと化す本作なんですけれど、注目点も勿論あります。
マイケルといえば包丁やナイフが主たる凶器のはずが「13日の金曜日」のジェイソンが使いたがるような凶器を率先して使ってみたり、車で轢き殺そうとして逆に自分が事故ったり、いつものじゃない違うマスクをかぶる珍場面があったりして興味深く観られました。
そんな注目点の中でも最大のトピックは、あのマスクを外してみせるところ!
こちらには見えませんが、台詞から察するに「顔はジェイミーにそっくり」らしい。

かように、「ハロウィン」シリーズとしては新鮮に映る部分もありますけれど、同時にスラッシャーとしては普通の域をでていませんし、お話が迷走しているのが丸わかりなのが少し勿体ない作品でありました。


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