数年前に友人から強く勧められたのですが、
レンタル探しても無いし
劇場公開はしないし
DVDも廃盤になっていて。
想いは募るばかりで。
2年前にスウェーデン出張の際にジャックタチBOXを見つけて、この作品目当てで購入。
フランス語原語に、デンマーク語、スウェーデン語、ノルウェー語の字幕とかなり難易度高い仕様でしたが、観始めてしまえば、ほとんど言葉はいらない内容でした。
今は南アフリカにいるので、久しぶりに見直してこれを書いている次第。
二時間フルで繰り広げられる、品の良い大掛かりなコント劇。
前半はパリの街を舞台にしたすれ違いを、後半はレストランを舞台にした巡り会いを。
モノクロームの色彩にガラス張りのビルディング。
人種問わずスーツにハットに黒白基調のドレスを纏った人々の中を彷徨うヒロイン、バーバラのワンピースの緑色が美しく鮮やかに映ります。
そして、
レストランで朝を迎えたままに街に繰り出すと、世界は希望に彩られて光り輝いているんです。
なんて幸せなラストシーンへの誘い!
個々の画面隅々まで行き届いた美意識に関心するのはもちろんのこと、
フランス人にドイツ人、アメリカ人に日本人まで、様々な人種が入り混じる国際都市としてのパリを舞台にしているのに、
パリならではの物はあるように思えない、どこにいっても同じ風景が拡がる無菌化された高度消費社会を1967年時点ですでに描いていることに驚かされるのです。
劇場で観る機会を逃してしまっているばかりなので、次の機会には是非観ないと。