このレビューはネタバレを含みます
フェルナンド監督の復讐の挽歌
1976年イタリア、西ドイツ作品。脚本(他一名)監督フェルナンドディレオ。
新作をちょこちょこ借りてたら、必ず昔の名品を借りたくなる私の性。
くまなく見回すと、「タランティーノが本作を見て監督を志した」とのこと。発売TCエンタテイメントさん、素晴らしい掘り起こし感謝!
タランティーノ印の作品
ジャックヒル、パムグリアシリーズ、サントラ名盤「コフィ」
「ジャッキーブラウン」の原点「フォクシーブラウン」
西洋スケバンものの傑作、ビデオ発売した「スゥィッチブレイドシスターズ」
などなどタランティーノ印作品として配給された作品群。
イタリアのフェルナンド監督は、タランティーノのお気に入りらしくとある映画祭のマカロニ映画選でタランティーノが選別した作品に本作がノミネートしてました。
正直、タランティーノ印じゃないと一生手を取らない作品に焦点をあてる映画狂タラちゃんゆえの恩恵であります。
いかすイラスト風ジャケ、2週間レンタルしました。
ジャックパランスがこれみよがしの、ボスぶり、オレ俺がシシリアンボスばりのドヤドヤを魅せてくれます、必見。ですが、実際のしのぎ方がなかなかの脇甘、ガードスカスカで笑っちゃいましたが、ご愛敬。
物語は、とあるマフィアの取り立てやの若造2人。ひょんな事から縁で知り合い、それはいつしか復讐の挽歌が鳴り響く、てな感じのありがちB級路線なシナリオ。
ですが、冒頭から素晴らしい導入。そしていきなりソフトファイトシーンを挟むあたり。なんか「キル・ビル」みたいですね。
中盤のだれそうな時にお色気いれたり、ジャックヒル監督もそうなんですが、
適度な箸休めアクション
適度な箸休めお色気
適度な箸休めいじめ、凌辱
この3本柱が熱いですね。70年代東映もそんな趣です。
ラストがなかなか素晴らしい無駄なカーチェイス決着をぜひ!
こういう自由奔放なイタリアンマカロニぶりを愛したタランティーノの味がよく判る1作でした。
シシリアンなんて聞くと「ゴットファーザー」的荘厳、親愛ファミリー、冷酷みたいなのを想像しがちですが、
いやいやこちらは穴だらけのばかしあいが効くシシリアンなんで、大層なのは期待しないでください。
ヴィットリオカプリオーリの組織のお喋り人情やがあじをだしてました。「地下鉄のザジ」の面白おじさん役で私顔なじみでした。
さて
フェルナンド監督の復讐の挽歌ひと味軽いシシリアンものが見たい方に
ぜひ