トムヤムクン

狼の時刻のトムヤムクンのレビュー・感想・評価

狼の時刻(1966年製作の映画)
4.5
なんとも言えず恐ろしい作品だと思いましたが、ベルイマン自身の頭の中を映し出したような極めて私的な作品ということで確かに納得です。奥さんと一緒に本土から離れた孤島で芸術に没頭する孤独な画家、しかし創作の苦悶のなかで露悪的なブルジョワの雑音や性的な煩悶に晒されて身を滅ぼしていきます。ブルジョワ城主が壁や天井を歩くシーンに戦慄を覚えました。そして冒頭の船で島にやってくるシーンで海岸の波をじっくり映すベルイマン、ここにはサイレント映画的な感性が表れているんでしょう。
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