おかもと

山の焚火のおかもとのネタバレレビュー・内容・結末

山の焚火(1985年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

個人的に名作だと思ってる『僕のピアノコンチェルト』のフレディ・M・ムーラー監督作。

DVDが廃盤でなかなか観る機会がなく、コロナの影響でどうなることかと思ったけど、シネ・ヌーヴォがスケジュール遅らせて上映してくれたので無事観られました。ありがたや。

とにかく山がひたすら美しかった。
つつましやかな暮らしぶりにも見入ってしまったけど、ほとんど自給自足、家族しかいない場所で暮らすのは過酷だろうなぁ...

聾唖の末っ子を過保護なまでに可愛がるとか、男にだけ遺伝する「怒りんぼう」の性質とか、なんだか寓話っぽいな~と思ってたけど、後半は近親相姦とか父殺しとか、神話を下敷きにしてるようにも思える。
(山の上に住む人々=天上界のメタファー?)

そのせいか、ドロドロした作風になってもおかしくないのに、不思議と静かで淡々としており、サラッと見られた。

喪に伏すためなのか祖父母に知らせるためなのか、白いシーツを暗い色に染めて吊したときの、真っ白な雪とのコントラストの美しさ。
あの姉弟はどうなってしまうんだろう。
おかもと

おかもと