颯空

ベンジャミン・バトン 数奇な人生の颯空のレビュー・感想・評価

4.5
小学生くらいの時に確かおじいちゃんの赤ちゃんっていうショッキングなヴィジュアルを目にしてそれがずっと頭のどこかに残ってて、ようやく今日観た この作品がデヴィッド・フィンチャー作品だと知ったのは割と最近のこと
こんなに美しいヒューマンドラマも描けるのかと感嘆した。ベンジャミンの最初の姿は、イレイザーヘッドの設定との共通点を感じた。共に時間を過ごし、共に老いていけることがどんなに幸せかということを強く心に刻まれた。あらゆる人々との交錯がありすぎて全てを伝えられないけど、ベンジャミンが若返るゆえの周りの老いと死を次々に受け入れなければならない苦悩と、晩年のデイジーの、ベンジャミンが幼くなっていく様を受け入れなければならない苦悩、その葛藤に胸をやられた。だからこそ、あの時2人がバレエスタジオで確かめたほんの一瞬すれ違っていく時間軸が重なっていた瞬間がより一層尊く感じた。
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