ベンジャミン・バトン 数奇な人生のragaのレビュー・感想・評価

老いと時間は常に進行する。後戻りできない人生は後悔で悲観するのではなく自戒の先にある新たな一歩を踏み出す気概にある。奇妙な運命を背負うベンジャミンは決してめげない。自身に過ちがありながらも新たな人や生活の場を積み重ねていく過程に喜びを得ていく。しかし異質な身体を宿したベンジャミンの不安に苛まれる心情をどう受け止めていいのか。ベンジャミンの足跡は切ないが清々しい。彼の気持ちに寄り添えるとほんの少しだけでも人生の素晴らしさが伝わってくる。そしてその時間は進行する。