ナツミオ

ベンジャミン・バトン 数奇な人生のナツミオのレビュー・感想・評価

4.0
WOWOW録画鑑賞
デビッド・フィンチャー監督特集
アカデミー賞受賞作品

フィンチャー&ブラピの3度目タッグ。

2008年米作品
脚本 エリック・ロス
原作 F・スコット・フィッツジェラルド
出演 ブラッド・ピット ケイト・ブランシェット タラジ・P・ヘンソン マハーシャラ・アリ

現在のニューオーリンズ。
死期が近づく老女デイジーが入院する病院で看病する娘キャロラインにある日記の読み聞かせを頼む。
それは、ある男性の数奇な人生だった・・・

1918年ニューオーリンズ
第一次世界大戦が終わったその日80歳で生まれ、年々若返るベンジャミン・バトン。
幼くして彼と出会うデイジーとの恋愛を軸にベンジャミンが出会う人たちとの関わりを通して彼の不思議な人生が描かれる

年々若返るベンジャミンと普通に歳をとっていく周囲の人々との対比、特に中年〜青年役を演じたブラピの変遷は見所の一つ。

ベンジャミンの一生が題材なので、演じる役者もブラピだけでなく、

1932〜1934年
13〜15才(外見66〜64才)
演 ロバート・タワーズ

1935〜1937年 16〜18才(63〜61才)
演 トム・エヴェレット

1991年 73才(12才)
演 スペンサー・ダニエルズ

1995年 77才(8才)
演 チャンドラー・カンタベリー

1997年 79才(6才)
演 チャールズ・ヘンリー・ワイソン

一方、幼馴染のデイジーは、
7才 エル・ファニング『Super8』(2011年)でブレイク
11才 マディセン・ベイティ
老婆(現在) フィリス・サマーヴィル

脇役も、
育ての母クィニーにタラジ・P・ヘンソン(『ドリーム』(2016年)のキャサリン・ジョンソン役)

育ての父ディジーにマハーシャラ・アリ(『グリーン・ブック』(2018年)ドクター・シャーリー役)

実の父トーマス・バトン役にジェイソン・フレミング

ディジーの娘キャロライン
幼少期 ジョーアンナ・セイラー
現在 ジュリア・オーモンド

フィンチャー色は薄めな感じがしたが、
観ている最中に、ふと『フォレスト・ガンプ』を思い出した。
アメリカ史の一部が背景になったり、幼馴染の彼女と付いたり離れたり、彼女に気が無い時の冷たさにも想い続ける主人公に似通った匂いを感じた。

また育ての母クィニーがベンジャミンに注ぐ愛情に熱くなり、
デイジーがバレーダンサーとして有名になってから会いに来たベンジャミンへの冷たい態度に憤慨し、
またバイクで疾走するベンジャミンの格好良さに痺れる。

育った老人介護施設の一風変わった住民たちも魅力的に描かれる。
特に雷に7回打たれた老人がエピソードを語る毎にモノクロで再現されるところが面白い。

人は、人生の終盤になると子供に還っていくと云われるが、それを観る者にも語りかけているよう。

ファンタジーだが、偶然がいくつも重なっての出会や、人生を見つめさせてくれる良い作品。
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