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ピグマリオンの一人旅のレビュー・感想・評価

ピグマリオン(1938年製作の映画)
4.0
アンソニー・アスクィス&レスリー・ハワード監督作。

1964年製作のオードリー・ヘプバーン主演による傑作ミュージカル『マイ・フェア・レディ』の原作であるジョージ・バーナード・ショーの戯曲「ピグマリオン」を、原作者のバーナード・ショー自らが脚色、主演を務めたレスリー・ハワードとアンソニー・アスクィスが共同で演出した喜劇映画です。

後発のブロードウェイミュージカルとその映画版である『マイ・フェア・レディ』のほうが知名度が断然高いですが、本作も音声学者のヒギンズ教授と粗野な花売り娘:イライザの出逢いと化学反応を不器用なロマンティシズムで魅せていきます。

ヘプパーンのような劇的過ぎる変貌はありませんし、ミュージカルではないので作品の華やかさは不足気味ですが、訛りが酷くて粗野な花売り娘が高慢な音声学教授による徹底した猛特訓により社交界で通用する上品な淑女へと変貌を遂げていく展開や対照的性格の教授と娘の不器用な惹かれ合いのゆくえがロマンティック&ユーモラスに描写されていますし、本作がデビュー作となったウェンディ・ヒラーの絶世の美女とは言えない“普通”なビジュアルが逆に好印象です。
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