爆裂BOX

悪魔の椅子の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

悪魔の椅子(2006年製作の映画)
3.4
廃墟と化した精神病院に足を踏み入れたニックとガールフレンドのサミー。古ぼけた電気椅子にサミーが座ると、見えない力によって彼女は惨殺され消えてしまう…というストーリー。
廃病院となった精神病院を訪れた人々が体験する恐怖を描いたサスペンスホラー映画です。
ドラッグのせいで記憶が曖昧で容疑者として疑われたニックは『真実』を話すも信用されず精神病院に収容される。4年後、心理学者とその生徒達と共に何があったのかを明らかにするためニックは再び廃病院を訪れるも惨劇が巻き起こるという内容です。
序盤は怪事件が起きた場所を調査チームが訪れるという「ヘルハウス」みたいな幽霊屋敷物っぽく進行しますが、会話が多く特に動きもないため退屈でちょっと眠たくはなります。
学生の一人が椅子に座ると椅子のギミックが発動する所は、ベルトで手足を拘束されて管が腕などから体の中に侵入していき血を抜かれていく所が気味悪くて良いですね。
この椅子は闇の世界への入り口になっており、椅子に座って消えた人間がいく闇の世界の暗くジメジメとした「ヘルレイザー」彷彿させる雰囲気もいい感じでした。ここで登場する骸骨面で触手もったクリーチャーの異様なデザインも良いですね。
次々椅子に座って闇の世界に吸い込まれた学生がクリーチャーに追いかけられて、主人公ニックもそれを救うため椅子に座って向こう側へ行ったり、芝居がかった仕草でニックの事心配してた心理学者の教授と秘書が意外な一面見せたりと二転三転転がる展開も面白かったですね。
度々画面をストップしたりして挟まれる主人公の独白は正直かなりウザく感じました。終盤の「脚本もクソ。俳優の演技も微妙。こんな映画誰が見る?」という自虐ネタはちょっと笑っちゃったけど。
ニックに親切に接して一番最初に椅子に座って闇の世界に行く学生レイチェル役の女優さんと秘書役の女優さんどちらも美人でした。冒頭で殺されるニックの彼女サミー役の人も美人でしたね。
クリーチャーとニックが対峙して盛り上がってきたところで唐突に訪れる終盤のどんでん返しは伏線なさ過ぎてビックリでした。一気にオカルトパニックホラーからサイコホラーへと変わりましたが、全て○○の仕業で起こってた事も○○だったわけか…最後の血塗れ具合と主演のアンドリュー・ハワードの狂いっぷりは中々良かったと思います。メイキング見るとここでも主人公の独白挟むつもりだったようだけどカットして正解だと思います。
ジャケは駄作っぽいですが、ちょっと変わった味付けのあるサイコホラーとして悪くない出来の作品だと思います。