青年ハリーは子供の頃のサンタの間違った体験から、大人になってもサンタを溺愛するようになっていた。
そんなハリーは会社でのイジメ等のストレスから、彼の心の闇は深みを増していく。
あるクリスマスの夜、ハリーはピークに達し、サンタの格好してある計画を実行する。
サンタ・クロースが殺人鬼のトラウマ・ムービー。
見るも涙、聞くも涙のおっさんの話。
ジャンルで言えばホラーやサスペンスになるので本来は怖い映画に属するはずなのに、私個人としてはかなり切ないというか悲しい作品に見えてしまったんですよね。
ホラー映画というよりは、一人の男の悲哀を描いたファンタジー映画?と言ったほうが正しいかもしれません。
クリスマスにかこつけてサンタのコスプレでエッチに励むカップルというのはよく聞く話である。
だがそんなお茶目なカップルも、自分の息子がそれを目撃してしまったおかげでトラウマになり、殺人鬼になってしまうとは思わなんだ。
こういう事はこっそりやっていただきたい。
思ったより残酷なシーンが少なく、内面の葛藤が描かれるシーンが多いのだが、それも当然めちゃくちゃ…。
84年の『悪魔のサンタクロース』のほうが、遥かにエグイシーンいっぱいです。
単純なスプラッター目当てで見るとガッカリするような作りだが、監督も主演俳優も真剣に作品作りに取り組んでいるのがよくわかる。
良い子達には素敵なプレゼントを配り、悪い子には壊れたオモチャを配る。
ついでに自分をバカにした奴らはオノで脳天をかち割り。
だが、はっきり言って全く煮えきらないこの映画は、誰の為に作られたのだろう?
グラウンドハウスにかけられていたとしても、喜べるシーンは3分ぐらいしかないと思うのだが。
とはいえ、病院で闘病する子供たちにオモチャを寄付のシーンなどは、観ていてほっこりとした気持ちになります。
クリスマスに観るには、あまりにほろ苦く、切ないストーリー。
彼の人生にちょっと涙・・・な、作品です。