「撮影する」とは何か。この問いかけに対し、最も危険性を指摘するのが、ハネケである。
撮影することで得られる映像は、間違いなく撮影者のモノとなる。だが、「撮りたい」という欲望が、単なる「欲求」と同一のものとなれば、一体どうなるのか。
ハネケ映画に毎回出てくる「映像(映画)の中の映像」が、最も多く出てくる本作。ここまで映像を観ること・撮ることの危険性を訴える監督は、ハネケぐらいだろう。矛盾してるようだが、実際、映画を撮る身だからこそ、表現したい事なのかも知れない。
内容に関していえば、エジプトに行くくだりが長すぎて長すぎて…。