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スパイダー・ボーイ ゴキブリンの逆襲のcamusonのレビュー・感想・評価

2.7
2004年のフィリピン映画。
原題はGagamboy(ガガンボーイ)です。こちらの方がいいですね。

蜘蛛を誤って飲み込んでしまった主人公が、
正義の味方の蜘蛛男(ガガンボーイ)に変身し、
ゴキブリをパンと一緒に誤って食ってしまった主人公のライバルが、
悪の味方のゴキブリ男に変身し、
主人公とライバルが対決するという話です。

まず、ヒロインがフィリピン人らしくないです。
ほとんど高岡早紀と言っても過言ではないのですが、
高岡早紀のほんわか部分を取り除き、
川原亜矢子とかの年配系モデルの目の細い笑いを貼り付けたような感じで、
相当あざとい感じです。高岡よりエロいです。

で、主人公は、同じタイ人の名倉にはあまり似てないですが、
名倉の親戚ぐらいには見えなくもないです。

だが、しかし、とても驚いたのは、
主人公がガガンボーイに変身すると、
ほぼ庵野秀明だと言っても過言ではないことです。
マスクを取ったら、中身も庵野秀明なのではと思いながら見ていたら、
そういうシーンもありました。
マスクを取ったら中もマスクだったというギャグでした。
まあ、誰に似ているとか、内容にあまり関係ない低俗な話は
ここら辺でやめておきます。

終盤は着ぐるみの蜘蛛とゴキブリの対決なのですが、
そこに至るまでは、どうしてそこまでやるかと思うぐらい
セットのつくりや、絵づくりが丁寧でこだわりが見られます。

ロッカー式お墓をモチーフにしたような屋外の立体墓地であったり
(フィリピンで実在するものだったらごめんなさい)、
赤い檻状の木箱が大量に積まれているアジトの倉庫であったり、
人々の生活を俯瞰できるような貧民街のセットのつくりであったり、
そうかと思えば、CGを駆使したり、
そこいらの日本映画よりもお金を掛けてそうで、
お金の出所、本国での興行状況がどだったのか興味が湧いてきます。
そういう情報はネットなどには、
少なくとも日本語では転がってないので、結局よくわかりませんが。

監督の今できることをとにかく何でも詰め込みたいという感じで、
よく言えばカオスなのだけれど、
悪く言えば、ターゲットが絞れていなくて、
洗練されていないのですよね。

これまで見たタイ映画も似たような感じなので、
東南アジアに一般的に見られる傾向なのでしょうかね。
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