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鏡の中にある如くのditaのレビュー・感想・評価

鏡の中にある如く(1961年製作の映画)
4.5
@第七藝術劇場 ~ベルイマン生誕100年映画祭~  

「いつまでも残るものは信仰と希望と愛です」注:但し幸せになるとは限りませんという話なのかな。沈黙する神を誰に置き換えているかの解釈によって見解が分かれると思う。わたしはとあるカットを見て父がそうなんじゃないかと。

冒頭の食事シーンの途中で父が部屋に戻って泣いている時に、窓から射し込む光の逆光で父の身体が柱と重なる影が十字架の縦、横に伸ばした腕のラインが十字架の横に見えて、これはキリストの暗示なのかなと思った。そう考えるとラストの弟の台詞に合点がいくなぁと。
沈黙する神と会話が出来たという喜びと、ベルイマンの父に対する思いが重なって見えて、わたしはあのラストは好き。偉い人の考察をいくつか読んでもそんなことは書いてないから違うんやろうけど。

どうやったらこんな構図でこんな陰影のこんなカットが撮れるのというくらい美しいシーンがたくさんあって、心の中でほわぁーってずっと思っていたけど、前に観た別の作品でも思った父役の人が井上順にしか見えない問題に悩まされて困った。どうにかして井上順を追い出したい(順に罪はない
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