カンパッチー

ジョン・カーペンターの 要塞警察のカンパッチーのレビュー・感想・評価

3.8
何度観たか分からないぐらい大好きな作品。

のっけからべべ〜んとシンセベースのリフがたまらなくかっこいいカーペンターのテーマ曲とともにストリートギャングたちが警察により容赦なく血まみれで殺されていく、そしてこれから起こるであろう惨劇への予兆を現していて最初から何ともかっこいい。

やられたことへの報復で無機質な表情のストリートギャングがゾンビのように警察署に向かってくる様は本当に不気味で、冒頭から容赦なくアイスクリームを交換しようとした少女が撃ち殺される様はかなり驚きます。しかも殺される部分もカットしないで正面からサイレンサーでバーンと!この街ではアイスクリームの交換は受け付けねぇ!とばかりに無慈悲に殺されていく少女、娘の遺体を放棄して犯人を追いかける父親、なんという恐ろしい街です。

逃げ込んできた復讐した父親を守るため襲われた引越し真っ最中の警察署を立場を越えた4人で協力して立ち向かうというのも熱いです。何より囚人のナポレオンがキザでカッコイイんですよ、誰にでもタバコあるか?と聞き、女事務員とのかすかに匂わせるロマンスやビショップ警部補との最後のやりとりなど「かっこいいとはこういうことさ」なロマンチシズムに溢れすぎた男でこんなん誰でも惚れるわ!と。

更には腕を撃たれても表情一つ変えないクールな女事務員がカッコよすぎるんですね、これがまた。むしろあまりに達観してるのでまさかエイリアンにでも乗っ取られてるんじゃないか?というぐらいクールです。

無駄な会話や要らない部分は削ぎ落としてあるのでそういった部分が好きじゃない人は合わないかもですが、荒削りだけど最後まで観せる力のある作品だと思います。