RYUYA

風の中の牝鷄のRYUYAのレビュー・感想・評価

風の中の牝鷄(1948年製作の映画)
4.0
小津のコワイ一面がダクダク流れ出た仄暗い一作。

貧しく暮らしながら夫の帰還を待っていた妻であったが、突然の息子の病気の治療費が払えず、売春宿へ足を運んでしまう。
数日後、夫は帰還し再会を喜び合うが、息子の治療費の話になり妻は口を紡いで何も言えなくなってしまう。何かを察した夫は、その一夜の事を聞いて回るが...

まるで現代でもあり得そうなメロドラマ的筋書き。シニカルな社会と、向き合えない人々の焦りのようなもの。ホラー的演出もちらり。

とにかく、「階段」の演出。
声が出るほど素晴らしかったし、それ以上に、おぞましく、こわかった。
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