きんゐかうし卿

ブラック・ビートルのきんゐかうし卿のネタバレレビュー・内容・結末

ブラック・ビートル(2001年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

 



『ぞろぞろ ざわざわ出るのは甲虫ではありません』

自宅にて鑑賞。日本劇場未公開作で原題"They Crawl"。エスピオナージを隠し味にミステリータッチで進行し、モンスター的な要素は附け足し程度。冒頭、「10分も話してオチが無いのか」と云う科白が気に入った。終盤におまけ程度の扱いでそれっぽいのが登場するが、邦題とは裏腹に終始、出て来るのはビートルでなく、コックローチである。物語の規模や展開に較べ、全体の仕上がりは小粒感に満ちており、モンスター・パニックを期待すると、間違いなく肩透かしを喰らってしまう。ただそこ迄、嫌いになれないのは、単なる個人的嗜好であろう。55/100点。
 
・恐らく初見だと思われるが、“ジーナ・オバノン”のT.デイヴィス、都会的な雰囲気を醸し出ている上、擦れた感じもあり、なかなか佳かった。その上司“リゲッティ”のB.ギロリもそれっぽく、悪くない。儀式と称し、手足を切断し、内臓を抉るカルト教団“トリリオン”と云うミスリードがあり、教祖タイニー・フェイクス”役としてキャスト陣で唯一の大物、“M.ロークが顔を出している。
 
・しっかりとした派手な爆発シーンが三度出て来るが、実は全て他作からの流用である。登場順に紹介すると、夜間、ビルの最上階、C.ハンプトン演じる“ブライアン・"ビーン"・ゲイジ”宅の爆破は『ラッシュアワー('98)』より、続いて警官二人が巻き添えを喰うB.カラーの軍事機密を扱う謎の男“ラザラス”宅シーンでは『ラスト・アクション・ヒーロー('93)』、クライマックスの夜間に倉庫が吹っ飛ぶシーンは『チェーン・リアクション('96)』からである。更に爆破ではないが、冒頭のバスが暴走するシーンの一部は、『シュワルツェネッガー/レッドブル('88)』から流用されている。