爆裂BOX

地球が凍りつく日の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

地球が凍りつく日(2006年製作の映画)
3.0
アラスカの石油採掘基地で、隊員たちが次第に狂っていく。地球温暖化によって溶けだした永久凍土から「何か」が現れたのだ…というストーリー。
ロン・パールマン出演のホラーです。SFのジャンルに置かれている事ありますが、どちらかというとサイコホラーっぽい所あるかも。監督は数々のインディー・ホラーに制作で協力したり出演しているラリー・フェセンデンです。
前半は石油採掘基地の隊員たちの人間関係やドラマが淡々と描かれるのでちょっと退屈ではありますね。最初に様子がおかしくなり始めた隊員が全裸でカメラもって外に出て凍死したあたりから隊員たちがおかしくなり始め死んでいきますが、それも淡々と描かれて派手なシーンもないので盛り上がりに欠け、地味ではありますね。一番派手なのはセスナ機が基地に墜落するシーンくらいかな。
ロン・パールマンは頑固で融通利かなくてでも悪い人じゃない石油採掘所のリーダーのガハハ系親父演じてますが、ぴったりはまってましたね。
温暖化によって溶けだした永久凍土から現れた「何か」の存在を感じ取った隊員たちが徐々に精神削られておかしくなっていく展開はちょっとクトゥルー神話彷彿させます。この不穏な雰囲気漂っていて皆のSAN値削られていく感じは結構好きですね。
本作に登場する「何か」はカナダ北部からアメリカ北端のインディアンに伝わる精霊「ウェンディゴ」ですが、監督のラリー・フェセンデンは以前とった「チル」でもこの精霊題材にしてましたし、残酷描写が暗転処理されて批判されたゲーム「UNTIL DAWN -惨劇の山荘」の脚本担当して出演もしてますが、こちらにもウェンディゴ出てくるんですよね。「フィアー・イット・セルフ」で担当してた話にもウェンディゴ出てたしどんだけ好きなんだ。本作ではカメラに記録された登場人物の背後に一瞬映ったり、幻覚の様に出たりしますが、終盤ではガッツリ登場します。CGで表現されてますがチープであまりにもバーンと出過ぎて逆にちょっと興ざめ。最後にここまで出すなら最初からバンバン出してコイツと戦うモンスター・パニックにしたら良かったのに。
ラストは、アディーは救助されたけど、ウェンディゴは世界を蹂躙し始めたという事かな?あの音からして。ちょっと「マウス・オブ・マッドネス」のラスト彷彿しました。
低予算作品だと思いますが、役者陣も演技出来る人出ててストーリーも悪くないと思いますが、終始地味で淡々と進行するので盛り上がりには欠ける作品でしたね。