TAK44マグナム

ボーン・コレクターのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ボーン・コレクター(1999年製作の映画)
2.9
デンゼル・ワシントンが、事故で首から上と、指一本しか動かせない身体になってしまった天才的な観察眼を持つ元警官を演じる。 
冒頭の事故シーンを除いて、劇中のデンゼル・ワシントンは、ほぼベッドに寝ているだけの状態。これだけで演技するって、素直にすごいと思う。 

動けない天才に代わって、現場で証拠集めをするのがアンジェリーナ・ジョリー扮する青少年課の警官。 
最初のボーンコレクター事件の被害者(厳密には最初ではない)の第一発見者であり、現場に残された証拠品を守るために走ってくる列車を身を挺して止めた行為が認められて抜擢される。 

当初は二人の事件に対する熱量の違いが行き違いを生むわけなんだけど、あまりに酷い殺人鬼の所業に怒りをおぼえたアンジーは、冷静沈着に事件を分析しながらも静かに怒りを燃やすデンゼルと呼応、ボーンコレクターに挑んでゆく。 

実は事件が○○殺人だったことが判明するまでの件りは緊張感もあって面白いんだけど、尺の関係からか、いささかご都合主義的に、重要なアイテムが見つかったりするのはどうなんだろうか。 
犯人自体も、冒頭に動機に関するヒントがあったりもするんだけど、唐突に判明する感が拭えないし。 
ミスリードも色々やっているけど、どれもこれもちょっとわざとらしい。勘の良い人なら、犯人自体はすぐに看破できてしまうのではないか? 
自分は、途中を飛ばしてラストを観てしまったので、犯人探しを楽しめなかったからアレだけど、順番どおりに観ていたとしたら、きっとわかってしまったような気もする・・・中盤に、あからさまに登場したりするし。 

原作は人気シリーズで、ミステリーのオールタイムベストでも推されるほどの作品だから、きっともっとちゃんとしているんだろう。 
分厚い小説を二時間ほどの尺で映画化するとなると、本当に作り手側のセンスが問われる。今作品は、雰囲気は出ていて、良い俳優さんが揃っているだけに、なんとなく惜しい完成度と言える。