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スチームバス/女たちの夢の一のレビュー・感想・評価

スチームバス/女たちの夢(1985年製作の映画)
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女性キャスト中心でフェミニズム的テーマを持った、舞台劇を映画化したワンシチュエーションの会話劇というとアルトマン80年代の大傑作『わが心のジミー・ディーン』を思い出すが、あちらが同窓会という単発の集会映画だとすれば、ロージーの遺作(完成前に亡くなったみたいだが)でもあるこちらはより政治的な意味での集会・議論・そして自治の映画である。なにより場所が風呂屋なのだから、あけすけもいいところの女たちの本音のかまし合い。役者みんな良いけど、やっぱり過酷な環境で育ったと思われるスラットなジョージーを演じるパティ・ラブが泣かせるなー。学がないのに法律の条文覚えて暗唱する姿に『骨までしゃぶる』の桜町弘子が重なって見えたよ。男に踏まれる女たちの間にも階層があって、しかしそれを乗り越えて共闘していく筋立て感動的。
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