旅するランナー

不安は魂を食いつくす/不安と魂の旅するランナーのレビュー・感想・評価

4.3
【不安な時にはクリネックス】

1974年の作品ですけど、世界はあまり変わっていない、あるいは、悪くなっていると感じてしまいます。
掃除婦として働く孤独なドイツ人老女と、外国人労働者である若いモロッコ人。
年齢、人種、文化、風習を超えた愛。
そこから生まれる、不安と苦悩。
世間からの冷たい眼差し・差別・嫌がらせ。
もう泣きたくなります、グスン、グスン。

ダイバーシティに対して寛容にはなっているが、分断しつつあるこの世界では、新たな不寛容が生まれている。
そんな不安を僕たちの魂に問いつくす。
今観ても強烈なインパクトを与える、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督作品を観つくしたい。