やわらか

黒部の太陽のやわらかのレビュー・感想・評価

黒部の太陽(1968年製作の映画)
3.7
196分、予告と休憩入れて4時間近くの長丁場。DVDとかはあるだろうけど、劇場じゃないとなかなか観れない(観る気になれない)ですよねー。観終わって劇場出たらお尻が痛かった。
 
えっと、内容は1958年に開通した黒部第四ダムのトンネル掘るお話です。以上。映画は1968年だから10年後なんだね。ストーリー的には特にびっくりすることがあるわけではなく、ひたすら工事の難しさとそれを乗り越える日本の土木事業者の闘いを描いてる。実在の企業名や一部実在の人を描くことで、その辺の企業の関係者が大量動員されたそうだけど、さもありなん。
 
三船敏郎と石原裕次郎の2大スターの共演ってことでもうお腹いっぱい2人の演技を堪能。特に三船敏郎、ホントかっこいいよね。日本人だけど日本人じゃないみたいな。石原裕次郎ははじめトンネルの現場来た時ヘルメットしてなかったから、いかんだろそれ、と思った(笑)
 
こういう昭和の大作映画では、もう新作で観れなくなった名優をまとめて見れるのも楽しみの一つ。今作だと、志村喬、宇野重吉、大滝秀治、加藤武とか。石原裕次郎の父親役、辰巳柳太郎さんは自分は良く知らなかったけど、緒方拳の師匠なのか。山崎努に雰囲気が似てて印象強かったな。
 
で、2017年にこの映画を観た場合、やっぱり労働環境の違いというか、その辺は特に気になるかな。劇中、太平洋戦争中に開発された黒部第三ダムの現場が地獄のようだった、という描写があるけど、現代からみれば黒四も大概だよね。行きあたりばったりで工事を始めて、トラブルがあってもスケジュールを直さないから無茶して死人が出る。
 
そもそも計画自体、事前調査も見積も十分やってないのに関電側で値段決めて無理矢理ゼネコンに受注させるっていうやり方が無茶苦茶過ぎて笑った。そりゃいっぱい人も死ぬわ。現代なら発注側も受注側もコンプラ違反になっちゃうから、そう言う意味ではこの50年くらいでいろんな環境が変わったんだな、とあらためて感じられるし面白いかな。
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