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スロベニアの娼婦のtheocatsのレビュー・感想・評価

スロベニアの娼婦(2009年製作の映画)
2.0
ネタバレ
スロベニア学生娼婦の夢・野望と挫折・諦念

どうやら純正のスロベニア映画と思われその点では貴重。しかし総体的には平板単調、退屈。


大学生でありながら高級コールガール稼業を営むスロベニア娘。
映画早々に顧客のEU幹部がED薬過剰摂取で心臓病死。殺人の嫌疑をかけられ警察から追われる羽目になる。
しかし、娼婦稼業の実入りの良さゆえマンションを購入。逮捕の危険が及んでいるのを知ってか知らずか(どうやらあまり認識していなかった様子)唯一の収入源が売春なので止めるわけにもいかない。
ところが、地元チンピラに目をつけられ仲介料をふんだくろうと強請られる。
かろうじて逃亡する娘だが以後売春も大っぴらにはできなくなり窮乏。
愛する父親にも稼業がばれそうになり、学業もおぼつかない。そしていよいよマンションも手放さねばならなくなり、娘は一人憂いに沈む・・・というエレジーストーリー。


特別エッジを利かせた展開ではなく、警察に追われている緊迫感皆無。小さい都市だろうからチンピラもすぐ娘を見つけられそうなものだがそれもなさそう(一回鉢合わせしそうな場面はあったけれど)。
娘を溺愛する父親も噂は聞いても娘の真実はあえて避けているような感じ。

肝心の娘がたちの悪い嘘つきで、借金のある元不倫相手、落第のカギを握る大学教授等を嘘で言いくるめる。でもさすがに銀行融資係にはそれも通じなかったが。

そんな娘が売春稼業を封じられ、マンションも取り上げられ、仕方なく地元に戻って愁いに沈むという場面でエンドになっても、こちらには共感や同情が生じる余地はなく、もちろん映画全体に対する何の感慨もなく、ただ冷めた目でエンドロールを眺めるだけでしたね。

スロベニアのある種の雰囲気を感じさせてくれたことに感謝。


総評二つ星


一つ気になったのがタバコを吸う際横をぺろりと舐める場面。娘だけではなくその父親もやっていたのであれはなんだろう?と。まぁ基本どうでもいいことなので詳しく調べることはしないけれど。

002008
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