あおや

グラディエーターのあおやのレビュー・感想・評価

グラディエーター(2000年製作の映画)
3.8
舞台は西暦180年、栄華を極めるローマ帝国。帝国侵略の果てに大義を見失いつつあった時の皇帝アウレリウスは、堕落に終止符をうつべく、自らの後継に息子コモドゥスではなく将軍マクシムスを指名する。父の決定に絶望したコモドゥスはアウレリウスを殺害。マクシムスも妻子を焼き殺され、自身も処刑されかける。命からがら生き延びたマクシムスは、コロッセオの見世物「剣闘士」となり再びローマへ、コモドゥスの前に現れるのだった。

時に美しさ、時に荘厳さを体感させる音楽とともに、練り込まれた世界観に思わず没入してしまう。特に劇中音楽はあまりに効果的に使われており、映画作品としての魅力を一段も二段も押し上げているといっても過言ではないだろう。また、演者も魅力的な面々が揃っており、『ジョーカー』での怪演が記憶に新しいホアキン・フェニックスが演じる愚王コモドゥスがとにかく印象的。愛に飢え、闇に落ちていくコモドゥスの心情描写を、その目つき、表情、所作から見事に表現している。垂れ目が印象的なラッセル・クロウも物悲しさの中に強さを感じさせる独特の存在感があって良い。
派手さはないものの、まさに“質実剛健”ともいうべき骨太な内容。見応え有り。
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