あぱっち

アングスト/不安のあぱっちのレビュー・感想・評価

アングスト/不安(1983年製作の映画)
4.0
"1度は釈放された殺人鬼が再び殺人を犯したくなり、タクシー運転手の女を襲おうとするも失敗、ある屋敷に逃げ込んでしまい..."というストーリー

あらゆるカメラワークを詰め込んだ映像美が不安定な殺人鬼の心理を的確に表現しており、そこにクラウス・シュルツェの不協和音シンセサイザーサウンドが交わり世にも不気味な世界観を創り出す

所作の1つ1つもリアルで、窓ガラスを破って侵入しようとするも1回殴っただけでは割れなかったり、"いざ恐怖を目の当たりにすると叫び声すら上げられなくなる"という"人質の立場"としての極限状態も余す事なく描かれている

"強姦や殺人などの衝動に駆られ興奮する自らの性器"を暗示しているのであろう、"出所後に入ったカフェで2人の女性をまじまじと見つめながらフランクフルトを貪り食らう"というシーンが強烈

これほど汚らしい食事シーンは中々お目にかかれない

映画を見終わったら、きっと他人の革靴の音が気味悪く感じるであろう
あぱっち

あぱっち