いの

時の支配者のいののレビュー・感想・評価

時の支配者(1982年製作の映画)
-
名作と名高い『ファンタスティック・プラネット』は映画館でほぼ寝てしまいましたが(2021年のこと)、そんなことで挫けるわたしではありませんの。今作はルネ・ラルー監督と、メビウス(ジローさん)との共同脚本。メビウスは、ホドロフスキーのドキュメンタリー『DUNE』で知りました。


バンドデシネっぽさ全開で、不思議な世界へと誘われる。静謐さで満たされる。宇宙のなかでの孤独は、思索を人に促すのだろうと思う。蓮の妖精2名の会話は、両名とも声は子どもが担当していると思うんだけど、フランス語での会話が本当に愛くるしくて、くるしくて悶絶しちゃいそうなくらいの愛らしさ。
少年ピエールと宇宙船にいるオトナたちとを繋ぐマイク(通信機器)は卵形の赤白デザインで、きっとポケモンのモンスターボールはここから想を得たに違いない。全体主義に抗する個人の強さに関する場面では、これも的外れだと思うけど、人類補完計画でのLCL の海に溶解するのかそれともそれを拒否するのかに重ねてしまった。そのくらい1982年制作の今作は、いろんなところに影響を与えたような気がする。嗚呼、ダークスターもまた観たくなった(ダークスターは1974年)。80年代っぽい電子音?もなんだか切なかったです
いの

いの