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マリブ・エクスプレスのドントのレビュー・感想・評価

マリブ・エクスプレス(1984年製作の映画)
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 1984年。クルーズ船に住むヘナチョコだけど女にはモテる私立探偵が共産圏との繋がりがある女の調査へ。クセのある人間関係の中で、脅しを生業にしていたワルの運転手が殺され……
 アンディ・シダリスが監督し、プレイメイトのヌードを前面に押し出したセクシー映画シリーズの第一弾。間違えて先に2作目3作目を観ていたのだがそれゆえに本作の手探り感、余計なモノの多さ、もっと言うなら面白くなさが際立つ。概してダメ男だけどやけにモテる、赤いデロリアンを乗りこなす私立探偵が行く先々でイチャイチャしつつ事件は解決する、というお話なわけだがどうにも寄り道やギャグ、絡み合う人間関係、あと主人公の独白がたくさんすぎて一本の映画として目移りしてしまうのだ。
 格闘も狙撃もダメ、けど女にはモテる……主人公がこのチグハグぶりだとその、「男のドリーム」感が削がれていちいち蹴つまずくのである。サスペンス、ヌード、ミステリ、コメディ、アクション、ヘリvs車、パロディ、やりたいことをドンドコやっている意欲は好ましいけどやっぱりとっちらかってる印象だけが残る。謎解き?も説明の長台詞だし……100分越えだし……
これを2作目から「女が超イケてる捜査官やればよくね?」「悪人出して、やっつけて、最後は爆発とかすりゃよくね?」「映画は女と銃と暴力ですよ」と大鉈を振るったのは娯楽映画として正しい。マジで正しい。まぁこれ以降が心底面白いかはさておき、『グラマー・エンジェル~』などは流れとしてストレスなくワァ~と観れる映画なのであり、そういうのを作るのは存外に難しいということがよくわかる作だった。繰り返すがここから「女と銃と暴力」に特化していった姿勢は本当に潔いと思うのだ。
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