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優しき殺人者の一のレビュー・感想・評価

優しき殺人者(1952年製作の映画)
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面白かった~。アイダ・ルピノとロバート・ライアン、偏愛する『危険な場所で』のご両人による密室スリラー。完全に統合失調のライアンが、ときに温和な掃除夫に、ときに恐ろしい征服者に、途切れ途切れの記憶をいったりきたりしながら変化する、それだけでサスペンスを成り立たせる、すごく変でそして恐ろしい映画であった。彼の顔を見てるだけでハラハラさせられる。事態の解決も、ルピノの機転や助っ人の登場ではなく、ただただ彼の感情に頼るしかないという徹底。かつて軍隊に入れなかったことで自身の男性性に大変なコンプレックスを抱えているという点が興味深い。
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