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クリストのヴァレー・カーテン
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『クリストのヴァレー・カーテン』に投稿された感想・評価

Juzo
4.5
山を、風を、空間を額縁に変える。
狂気の芸術家と、それに巻き込まれた男たちが虚空に描いた、わずか28時間のオレンジの絶景。
28分という短尺の中に、不可能を現実に変える人間のエネルギーが爆発している。
クリストという男は、およそ正気とは思えない。コロラドの巨大な谷に、9トンのオレンジ色の布を架けようなんて発想自体が正気の沙汰ではないし、自然の猛威によって一瞬で計画が瓦解するシーンの絶望感は凄まじい。しかし、彼は諦めない。その偏執病的なまでの情念が凄まじい。
面白いのは、最前線で命綱を頼りにワイヤーを張る地元の鉄工労働者たちの表情の変化。「美術なんて知るか」と言いたげだった荒くれ者たちが、オレンジの幕が谷いっぱいに広がり、風を孕んで巨大な彫刻へと変貌した瞬間、子供のような歓声をあげる。あの瞬間の、彼らの瞳に宿る輝きこそが、メディアが捉えうる最も美しいもののひとつ。
構想28ヶ月、展示時間28時間という途方もない労力によって成立した、クリストのヴァレー・カーテンを追う短編ドキュメンタリー。

コロラド州ライフル・ギャップの山間に、巨大なオレンジ色の布を張るという壮大な計画であり、その実現には資本、技術、行政、共同体との膨大な交渉が必要となる。

印象的だったのは、普段は現代アートと関わりが無かったであろう建設労働者が完成した作品を観て「美しい」と評した時の表情だった。芸術が制度空間を越え、労働や公共空間と接続される瞬間に、ランドアートの公共性が強く表れていたと感じる。あとクリストのドローイングも単純に上手いんだよなぁ〜。
muscle
-
現場監督の彼の動き。音声解説付きで見ると印象がまったく変わる。ジャンヌクロードの横顔の意思に向かう力強さ。