YasuhitoArai

アウト・オブ・ブルーのYasuhitoAraiのレビュー・感想・評価

アウト・オブ・ブルー(1980年製作の映画)
4.4
デニス・ホッパー監督作品。
エルビス・プレスリー命のパンク少女シービーの一家は、デニス・ホッパー演じる親父のドンが飲酒運転でスクールバスに突っ込んで刑務所に入っており、母親は親父がいない間他の男とできている。ついに親父が釈放され、家族団らんを期待するシービーだったが・・・という話。

主人公のシービーは、デニス・ホッパー自身が乗り移ったかのよう。母親が男を連れ込んでいて家庭に居場所がなく、無秩序に路上をさ迷い、罵詈雑言と中指をたてていく。
写される街の路上の風景と、流れてくる音楽、ニール・ヤングのテーマ曲が良い。ドンが働いている、カモメの大群が舞うゴミ処理場も画面に映えていて、シービーがいるごみ溜めみたいな状況を表しているように思えた。

デニス・ホッパーの演技が、他出演作品に比べても、かなり無秩序でぶっ飛んでる。『ブルーベルベット』で自身がやっていたことを逆にやられていて笑った。

手持ちカメラ、ロケ撮影、自由な演技と、とてもニューシネマ感がある作品だった。
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