TAK44マグナム

ザ・ホード -死霊の大群-のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ザ・ホード -死霊の大群-(2009年製作の映画)
3.6
世界一おしゃれな国であるフランス産の世界一おしゃれじゃないヴァイオレンス・ゾンビ・ホラー。
パリが舞台なので「28週後・・・」の続編だと思ってもOK!(そんなわけないけど)

ギャングに仲間を殺された警察官たちが復讐するためアジトへ強襲します。が、ドジってしまいます。
捕まっちゃってどうしようと思っていると、なんといつの間にかパリの街が大変なことになっているではないですか!
突如として大発生したゾンビの群れがアジトのビルにも押し寄せてきちゃいます。
ギャングと警察官は生き残るために、仕方なく一時休戦してビルを脱出しようと奮闘するのですが・・・

なんていう、なかなか魅力的なお話です。
主人公チームが凶悪なギャングや警察官なので戦闘力がバンピーよりも高いのが特徴。武器も豊富です。
でも、相手のゾンビは数が多い上にタフで足が超速いので、次々と仲間は減ってゆきます。
ついでに仲間と言っても敵同士だもんで、すぐに仲違いするし、元々の仲間同士であっても反目したりするんで、はっきり言ってバラバラ!もうちょっと助け合いの精神が必要でしょう。
そんな中、ナイジェリアギャングのボスが意外と物わかりの良さを発揮してまとめ上げようとしたりしますが、この人、序盤でそうとう酷い事しているのでまったく信用できません。

途中で、ちょいキモなオヤジが登場しますが、言動や行動が完全にイカれているんですけど戦闘力がほどほどあるために仲間にします。
このオヤジは本当に狂っていて、ゾンビと嬉々として戦うような戦争オタク。重機関銃をぶっぱなして大活躍しますよ。
そういえば、機関銃でゾンビを粉々にするのもそうなんですが、なんだかゲームの「デッドライジング」っぽいシーンが散見されますね。ゾンビをどついたりとか。
キモオヤジもあのゲームに出てくるサイコな人みたいな感じですもの・・・
「デッドライジング」ぽいと言えば、車の屋根に乗って大量ゾンビに応戦する無茶な場面もそれっぽいかも。
「俺が食い止めるから先へゆけ」みたいな熱い場面なんですが、画面の中にゆうに100人以上のゾンビ(エキストラ)がうようよいるような恐ろしい画づらで、最後なんて何だか崇高な宗教画のようですよ。

あと、この映画は銃撃がメインなんですけど、武器を失った状態での、ゾンビとの素手ゴロもあったりします。
蹴る・殴るは当たり前、ゾンビと組み合ったり、頭を叩きつけたりと過激な暴力描写が目をひきます。
ギャングの一員がボクシングスタイルでゾンビをのしたり、女性警官が雄叫びをあげながら女ゾンビとキャットファイトしてボコボコにしたりと、気持ちいいぐらいにやりたい放題です。

テンポもそんなに悪くないし、後半にいくにしたがってそこそこ盛り上がるし、ゾンビの描写もちゃんと怖いので、ロメロのノロノロゾンビじゃないとダメって人以外ならどうぞ。

どんよりとしたラストですけれど、想定内でした。


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