クシーくん

エイリアン・デッドのクシーくんのレビュー・感想・評価

エイリアン・デッド(1980年製作の映画)
1.4
監督のフレッド・オーレン・レイという人はB級映画の帝王と呼ばれてるそうだが、そんな彼の初商業映画がこれらしい。まあ内容を期待していた訳ではないが、実にシドい。
原題からしてエイリアン・デッドだがエイリアン要素はほぼ無に等しい。田舎町に突如ゾンビが発生する、よくあるゾンビ映画である。
降ってきた隕石の影響で人々がゾンビ化してしまったという点を「エイリアン」と言っている可能性もあるが、そもそも設定自体ロメロ監督「ゾンビ」の丸パクリなのである。

いちいち挙げるとキリがないので割愛するが、全体的にどうでもいいシーンが多すぎる。特にスケベな警官がスーパーで店員の女の子にちょっかいをかけるシーンとかその後の展開に一切活きて来ない、無駄しかないシーンだった。
一般人がゾンビに襲われる描写を何度も流すのが余りにもくどい。そんなに見せられなくたってもう分かったよ!と言いたくなる。個々の襲撃シーンがその後の展開に一切活きてないのはこれまた同じく。
しかも肝心の襲われるシーンがやたら無音と特に意味のない尺稼ぎが多い。以前「レイダース 失われたゾンビ」の時に感じたのと全く同じ特徴と言えよう。襲撃の音楽も変な電子音楽とカントリーが入り混じっていて凄まじくダサい。ゾンビのメイクもちゃんと特殊メイクされているのはごく少数で、後半になると顔しかロクにメイクされていないゾンビまで出てくる始末。襲われるというよりも、ただ首締められたり揉まれたりしているだけで、ゾンビらしさはほぼ皆無と言っていい。しかしこの映画の特徴的な点として、ゾンビが沼の中を泳ぎ回るという点がある。水中撮影シーンは低予算にしてはかなりしっかり撮っている。これだけは唯一褒めて良い所かなとも思う。

だが何と言っても本作最大の見所は衝撃のラストショットである。最低映画の名に相応しい…がこんな終わり方許されるのか?

大体1980年もの映画になって今更ワイドスクリーンって。
クシーくん

クシーくん