シンタロー

魔術の恋のシンタローのレビュー・感想・評価

魔術の恋(1953年製作の映画)
3.7
トニー・カーティス&ジャネット・リー主演。"脱出王"の異名をとったマジシャン、ハリー・フーディーニの半自伝的映画。
1890年代、ニューヨーク。見世物小屋にやってきた女学生ベスは、鞭打たれる野生人を庇う。野生人に扮していた三流芸人ハリー・フーディーニは、ベスの優しさに一目惚れ。素顔で魔術師としてショーを始め、ベスの名前を当てるマジックを披露する。奇妙な出逢いに戸惑うベスだったが、徐々に惹かれていき、2人は恋におちて結婚。ハリーの巡業を手伝い、愛嬌をふりまくベスだったが、場末の舞台で酔っ払いに絡まれる日々。ベスの願いからニューヨークに戻り、母と同居しながら金庫工場で働くようになったハリー。一流魔術師になる夢は捨てきれずにいた…。
51年に結婚したトニー・カーティス&ジャネット・リーの初共演作。お二人共実に見目麗しく、ラブラブなのが伝わってきて、それだけでも大いに観る価値があると思います。ハリー・フーディーニの伝記としては入門編といった趣で、脚色は加えられているようですがわかりやすいです。得意としていた脱出ショーは様々なバターンが見られて、後半どんどん過激化するのも見どころ。ベスと共同による小奇術も随所に挿入されて楽しい。夫婦だけでなく、母と息子、義母と嫁が終始仲良しなのが微笑ましく、主要人物に悪人不在なのが心和みます。ただ、ラストについては事実から大幅に脚色されているそうで、賛否両論はあるようです。
トニー・カーティスは、ようやく主演で映画に出られるようになった頃で、人気爆発しだすのは「空中ぶらんこ」あたりから。とはいえ、駆け出しの頃からその美貌は注目の的で、ファンレターはかなり多かったそうです。彫りの深い顔立ち、ブルーアイズ、引き締まった肉体が実に美しい。二枚目でありながら、三枚目な滑稽さを持ち合わせている所が、他と一線を画す魅力です。ジャネット・リーは「若草物語」のメグ役等で既に名声を得ていて、カーティスよりキャリアも実績も格上でした。私生活は早熟で、カーティスと結婚した24歳時点で驚きのバツ2。この美貌とプロポーションですから、周りがほっとかないのでしょうね。本作では数々のコスチュームを魅せてくれて素敵ですが、特筆すべきはステージ衣装時のウエストのくびれと脚線美。そんな2人をずっと見ていられるだけで目の保養になります。それと、この2人は美声ぶりも外せない魅力。いつ見ても憧れのカップルです。
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